HSEP
このプログラムは、企業経営をするために必要な経営の諸要素(戦略、カネ、人、組織、システム)を見る目、また諸要素のバランスを総合判断する見識を醸成することにあります。そのために経営者として必要な哲学を考えさせ、経営の総合判断のための自分なりの枠組みについて深く考えさせることを基本とします。
本プログラムは、一橋大学大学院商学研究科がこれまで経営学修士コースの運営等で培ってきた最先端の企業経営に関する理論的研究成果をベースにし、企業の経営人材の能力向上に貢献するため、シニアエグゼクティブ向けの経営研修プログラムの研究開発を行ってきたものです。このプログラムの特徴は、単なる外国のプログラムの「翻訳」ではなく、日本の企業における経営者のあり方を深く考え、さらにそこからどういう視点で教育が行われるべきかを考えた上での、「日本型」プログラムの開発である点です。
現在までの実績としては、13回の実施を経て、総数300人の役員クラスの人材を対象にした研究開発プログラムが終了しており、本プログラムの「卒業生」が、各企業の中核的なポストに登用されるなど、各社で高い評価を受けています。
基本プロセス
経営者研究
実際に起こった事例(ケース)をもとに、そのトップの意思決定や戦略について、深く考察し、討議を行う。
ケーススタディ
5ヶ月間を通した個人プロジェクトとして、自分が研究したい経営者を各人が決め、その経営者の行ったマネジメントにおける重大な意思決定と、彼(彼女)の人生・器量をじっくりと考える。
経営者を招く
実際に意思決定を行った現役経営トップの生の話を聞き、深く討議する機会。
経営の総合判断
インタラクティブ・レクチャー: 戦略、組織及びヒト、カネ、などの経営資源についてのレクチャーとディスカッション。
スケジュール
セッション№1 | セッション№2 | セッション№3 | セッション№4 | セッション№5 | |
テーマ | 企業を見る目 | 戦略を見る目 | 戦略と組織を見る目 | カネとヒトを見る目 | 経営の総合判断 |
1日AM | 開講式 基調講演 |
ディプロマシー | 戦略失敗についての 自社ケース発表と議論 |
人材マネジメント | 私の経営者研究⑤ |
1日PM | 経営するということ | ||||
2日AM | 私の経営者研究① | 戦略思考レクチャー | 戦略的失敗について振り返り発表と議論 戦略と組織の相互作用に関するレクチャー |
コーポレート・ファイナンス | 経営者を招く② |
2日PM |
利益とは何か 企業の目的と責任 |
ケーススタディ |
価値づくりの経営 私の経営者研究③ |
コーポレート・ファイナンス 私の経営者研究④ |
まとめセッション 修了式 |
3日AM | マーケティング セッション |
戦略思考ケース | 企業価値創造経営 | ||
3日PM | 私の経営者研究② | 経営者を招く① |
各セッションのテーマと概要
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- 第1セッション
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企業を見る目
企業活動を大きな視点からどのように見るか。
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- 第2セッション
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戦略を見る目
戦略的思考とは、何か。
それを体感するためとチームビルディングのために、外交ゲームも行う。
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- 第3セッション
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戦略と組織を見る目
組織はいかに硬直化し、腐り行くか。事業のビジネス・モデルをどう設計するか。
参加各社の失敗事例をもとに徹底討論を行う。
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- 第4セッション
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カネとヒトを見る目
カネの動きはどのように測定しコントロールするか。
人材を育てるための経営的視点とは何か。
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- 第5セッション
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経営の総合判断
トップに立つことは、すべてを総合判断をすること。
そのための、「マクロの枠組み」は?
この最終セッションで、「私の経営者研究」個人レポートをもとにした、「経営の総合判断」と「経営者の器量」についての徹底討論を行う。